家庭用ミシンでは、布端のほつれ防止に裁ち目かがりを使うことが多いですよね。
しかし「裁ち目かがりに返し縫いは必要?」という疑問を持つ人もいるでしょう。
実はかくいう私も、最近まで同じ疑問を持っていました。
自分なりに裁ち目かがりの返し縫いの必要性や、糸端の処理方法を調べてみたところ、さまざまな方法や考え方があることが分かりました。
そこで本記事では、
- 裁ち目かがりに返し縫いは必要かどうか
- 裁ち目かがりの糸端の処理方法
これらについて、写真をまじえながら分かりやすく解説していきます。
「裁ち目かがりに返し縫いは必要?」
「裁ち目かがりの糸端の処理方法が知りたい」
という人は、ぜひ参考にしてくださいね。
裁ち目かがりとは?ジグザグミシンとの違いを解説
そもそも家庭用ミシンの裁ち目かがりとは、どのような機能なのでしょうか。
裁ち目かがりとは、布端がほつれないように縫う機能のことを言います。裁ち目かがりは普通の押さえではなく、専用の押さえを使うのが特徴です。
裁ち目かがり用の押さえに布端を沿わせて縫うことで、布端を綺麗に縫うことができるんです。
実際に裁ち目かがりで布端を縫うと、このように仕上がります。
ちなみに同じように布端のほつれ防止として、ジグザグミシンという機能もあります。
「裁ち目かがりとジグザグミシンってどう違うの?」という疑問を持つ方もいると思うので、ジグザグミシンと裁ち目かがりの違いも簡単に説明しますね。
ジグザグミシンも基本的に裁ち目かがりと同じように、布端を縫っていくのですが、次のような違いがあります。
ジグザグミシン | 裁ち目かがり | |
押さえの違い | 基本の押さえ | 裁ち目かがり用の押さえ |
縫い代の違い | 余分な縫い代をカット | カットの必要なし |
縫い模様の違い | ジグザグ模様 | 直線+ジグザグ模様 |
ジグザグミシンでは、基本の押さえをそのまま使います。
そのため布端ギリギリを縫うことができないため、布端より1cmほど内側を縫って、縫い終わったら余分な縫い代をカットします。
また、縫い目は裁ち目かがりとジグザグミシンの縫い目は次のような違いがあります。
分かりやすいように、裁ち目かがりとジグザグミシンの仕上がりを実際に比べてみました。
ジグザグミシンはシンプルなジグザグ縫いですが、裁ち目かがりは「直線+ジグザグ縫い」になっているので、よりしっかりとほつれ止めができます。
このように裁ち目かがりとジグザグミシンを比べてみると、裁ち目かがりの方がメリットが多いことが分かりますよね。
そのため基本的には、ジグザグミシンよりも裁ち目かがりを使うことをおすすめします。
洋裁本などで「布端をジグザグミシンで処理する」という説明をよく見かけますよね。
実はこの場合のジグザグミシンは、裁ち目かがりのことも含みます。
というのも、実は私自身持っているミシンに裁ち目かがりの機能があるにも関わらず、文字通りジグザグミシンで布端を処理していた時期がありました…。
なので、裁ち目かがりの機能があるミシンを使っている人は、ぜひ裁ち目かがりを使ってくださいね。
ミシンの裁ち目かがりに返し縫いは必要?糸端の処理方法を解説【2通り】
普通に直線縫いをする場合、縫い始めと縫い終わりに返し縫いをするのが一般的ですよね。
では、裁ち目かがりに返し縫いは必要なのでしょうか?
結論、裁ち目かがりは基本的に返し縫いは不要です。
その理由は主に次の2つです。
- そもそも裁ち目かがりはほつれにくい
- 裁ち目かがりの部分は縫い代に入り込むので、ほつれる心配がない
また、裁ち目かがり押さえを使う場合、ミシンの返し縫い機能を使うと針が曲がってしまうという情報もありました。
裁ち目かがりには裁ち目かがり押さえを使いますが、この押さえは縫い目の下に棒状の突起が入り込んで布が締まるのを防いでいます。
既に縫った縫い目の下に入り込んでいるので、返し縫いをすると布が手前に戻らずに針が曲がってしまい、最悪針が折れますから返し縫いをしてはいけません。
ただ、裏地を付けない服を作る場合など、裁ち目かがりをした部分が縫い代に入らないこともあると思います。
そういったときに「裁ち目かがりがほつれてしまわないか心配…」ということもあるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、次の2通りの方法です。
- 止め縫い機能を使う
- 糸端を結ぶ
それぞれの方法について、詳しく解説していきますね。
(1)止め縫い機能を使う
ミシンの止め縫い機能を使うことで、裁ち目かがりのほつれ防止ができます。
止め縫いとは、裁ち目かがりや縫い目模様など、返し縫いができない場合に使うほつれ防止の機能のことを言います。
ちなみに裁ち目かがりのほつれ防止の中では、止め縫いがもっとも一般的かつ簡単にできる方法です。
止め縫いを行うことで、縫い始めと縫い終わりに針を3回ほど同じ場所に刺すため、ほつれにくくなります。
止め縫いは縫い目が目立たないので、裁ち目かがりだけでなく、ジグザグミシンや縫い目模様のときにもおすすめです。
止め縫いをするには、基本的にはミシンの「止め縫い」ボタンを押して設定します。
ただしミシンによって詳しい設定や方法が異なるので、お持ちのミシンの説明書にて確認することをおすすめします。
ちなみに私が愛用しているJUKIのミシン「f250-J」では、「自動止めぬい糸切り」機能として搭載されています。
「自動止めぬい糸切り」ボタンを押すことで、自動的に縫い始め・縫い終わりに止め縫いが行われ、最後に糸切りをしてくれる便利な機能です。(最後は返し縫いボタンを押す必要があります)
皆さんもお使いのミシンの止め縫い機能をチェックしてみてくださいね。
(2)糸端を結ぶ
最後に紹介するのは、シンプルに糸端を結ぶという方法です。
縫い始めと縫い終わりの上糸・下糸を長めに引き出しておき、2〜3回固結びをしたら、余分な糸をカットするだけでOKです。
お持ちの止め縫い機能がない方は、こちらの方法がおすすめです。簡単にできるので、ぜひ試してみてくださいね。
余談ですが、糸端を結ぶという方法はフェリシモのゼロからレッスン ミシン「はじめてさんのきほんのき」の会【送料: 450円+税】に同梱されていたマニュアルに記載されていました。
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ミシンの裁ち目かがりに返し縫いは基本的に不要!ほつれが気になる人は糸端を処理しよう
裁ち目かがりの糸端の処理方法について解説しました。
裁ち目かがりは基本的に返し縫いが不要ですが、ほつれが気になる人は今回紹介した糸端の処理方法を試してみると良いでしょう。
特に止め縫い機能は簡単かつ綺麗にほつれ止めができるので、おすすめですよ。